東京大学音楽部OB合唱団アカデミカコール/東京大学音楽部コールアカデミー
東日本大震災復興支援と感謝・ハリケーンSANDY復興支援
カーネギー・ホール公演

THE UNIVERSITY OF TOKYO ALUMNI CHOIR CONCERT
“Japan Earthquake Benefit & Sandy Relief Concert”
Tuesday, February 26, 2013 | 8PM
Stern Auditorium / Perelman Stage at Carnegie Hall

カーネギーホール公演のホームページ

プログラム(PDF)

演奏会プログラム


~第一部~

「法華懴法」(ほっけせんぽう)
 作曲:藤原義久
 東京大学音楽部OB合唱団アカデミカコール
 指揮:酒井雅弘

能 謡/狂言 小舞

 竹生島
 三人夫 雪山 土車  泰山府君  宇治の晒
 桑の弓 十七八 幼けしたる物  兎  盃
 ニューヨーク能狂言グループ
 ジュゼッペ バウズィリオ

鹿の遠音/東北民謡

 南部牛追い歌(岩手) 大漁節(宮城) 会津磐梯山(福島)
 Flutes of Hope
 ・ラルフ サミュエルソン(尺八)
 ・小濵明人(尺八)
 ・宮崎 信子(篠笛)
 ・金子 純恵(三味線/唄)
 ・影山 伊作(太鼓)

~第二部~

ケルビーニ作曲「レクイエム第2番ニ短調」

 東京大学音楽部OB合唱団アカデミカコール
 東京大学音楽部男声合唱団コールアカデミー
 指揮:伊藤玲阿奈
 オーケストラ:レオナ・イトウ・チェンバーオーケストラ
 オルガン:三木蓉子
    Ⅰ.Kyrie          
    Ⅱ.Graduale
    Ⅲ.Dies Irae
    Ⅳ.Offertorium
    Ⅴ.Sanctus
    Ⅵ.Pie Jesu
    Ⅶ.Agnus Dei

法華懴法

 法華殲法とは、天台宗で毎朝行われる、自分の罪を自覚し懺悔する勤行である。キリスト教において、神に罪を告白し悔い改めることをイエスの教えとしているのと同様、仏教でも罪の懺悔を進行の出発点としていることは大変興味深い。しかしキリスト教が、人間は本来罪なるものであると考えるのに対し、大乗仏教では、人間は本来仏性(仏となる性質)を持っているのだが、煩悩のためにそれを見失っていると考える。煩悩に隠れた自らの仏性を自覚し磨きだすのが仏教における懺悔なのだ。仏教では、お経を唱える時、独特の節回しで微妙な旋律抑揚をつけることがある。これを声明(しょうみょう)という。声明は古くインドに起源を持ち、日本には1200 年ほど前に伝えられた。

 今回私たちが演奏する合唱曲も、文字通り法華殲法の中で唱えられる声明を主題としている。各曲の内容は次の通りである。

1、散 華 - さんげ -

散華、帰依三宝という二つの声明が歌われる。散華とは、文字通り花をふりまくこと。この場に仏様をお迎えするために、花をまき、香を献じて供養する。実際に法要では、色鮮やかなな小さな紙片を花に見立て、歌いながらお堂に撒く。帰依三宝では、仏?法?僧の三宝に帰依することを誓う。自らが三宝を信じ敬い、その教えに従って生きるとともに、世界の人々も同様にと願う。曲中ではこの二つの声明が平行して歌われる。

2、敬礼段 - けいれいだん -

この曲は、雑念を払い心を込めて祈りに邁進する姿を表す。迫力あるテンポとリズムが特徴である。ここでは敬礼段、六根段という二つの声明が使われている。敬礼段では、この宇宙にあまねく存在する無数の諸仏諸菩薩に対し誠心を持って礼拝する。六根段では、人間に罪汚れをもたらす窓口とされる六根(眼・耳・鼻・舌・身・意の六つを言う)の罪を懺悔し、汚れを払って清らかになることを願う。

3、十方念仏 - しほうねんぶつ -

一転して穏やかな祈りに満たされる音楽となる。ここでは十方念仏という声明が使われている。念仏では最初に南無と唱える。南無と唱える心は、自らの命をお任せするということで、仏にこの身を預け、仏と一体となる境地を願う。

最後に、回向文が高らかに唱えられる。「願わくば、この祈りが全世界に広がり、私たち皆が共に、仏の道を歩めますように。」

この曲は19 6 9 年に東京大学コールアカデミーが作曲家藤原義久氏に委嘱し、翌年行われたドイツ、オーストリア演奏旅行で初演された。日本の祈りの心を世界に伝えるべく運命づけられた曲なのである。今この瞬間にも世界にどこかで怒っている災害、そして戦争。人の世の苦しみは絶えることがない。本日私たちは、アメリカ、日本、そして世界のすべての国の人々のために、祈りを込めて法華殲法を歌う。願わくはこの祈りが届きますように。

ケルビーニ作曲「レクイエム第2番ニ短調」

 ルイジ・ケルビーニ(1760-1842)作曲家。 ケルビーニは生前はパリ音楽院長 Director of Paris C onservatoryに任命されるほど評価を受けていたが、現在において彼の名前は主に二つの作品によってのみ知られている。一つは、彼のオペラ「メディア」Medeeが20世紀の伝説的ソプラノ歌手のマリア・カラスによってリバイバルされて以来、19世紀のオペラの代表作として演奏されている。二つ目は、フランス革命で処刑されたルイ16世を悼んで書かれた彼のRequiem No.1 in C minorが大成功を収め、ベートーベンなどによって崇拝され、現在でも頻繁に演奏される。(「レクイエム」は、ローマカトリック教会における死者の為のミサで歌われる音楽の名称で、1965年以前はラテン語を使うことが決まりだった。現在は母国語が許されている。)

 1836年、ケルビーニは自身に栄光をもたらした第一番のレクイエムが自分の葬儀で演奏されることを希望していたが、当時のパリ大司教が教会内での女声の使用を禁止しようとしたため、混声合唱を用いる第一番を諦めざるを得なくなった。そこで、76歳の老作曲家は自分の葬儀の為に男声合唱のレクイエムを作曲したのである。今日演奏されるRequiem No.2 in D minorは、自分の葬儀の為、そして男声合唱の為という点で非常にユニークで、かつ、個人的な音楽である。7つの曲で構成されているが、本来はミサの式次第に従って説教や聖書朗読などを挟みつつ演奏されるものである。

 人生の最後を迎えたケルビーニが、死後の救いを求めて作曲したこのレクイエムは、その高い主観性に起因する晦渋さ故か、現在でも滅多に演奏されることはない。東京大学合唱団は恐らく世界で最もこの曲を演奏している団体だろうが、それはこの合唱団がこの曲の日本初演を1963年に行った思い出の曲だからである。同年に夭逝された大学院生だった団員のご遺族の寄付により、オーケストラの楽譜をドイツより輸入することが叶ったという逸話もある。つまり、この合唱団にとっては50年に及ぶ伝統を持つ特別な曲なのである。

指揮者紹介

伊藤 玲阿奈

 福岡県出身。祖父と母親が指揮者でユースオーケストラ(筑豊青少年交響楽団)を運営する家に生まれ、4歳よりピアノとヴァイオリンや音楽の基礎教育を受け、8歳でオーケストラ曲を作曲。高校卒業後、政治学の勉強のため渡米。ジョージ=ワシントン大学国際情勢学部を卒業した後に指揮者の道に進むことを決意。ジュリアード音楽院で指揮と作曲を学んだ後、マネス音楽院及びクイーンズカレッジのオーケストラ指揮科(修士号)を卒業。2008年3月にはゴールドシュタイン劇場でのモーツアルトの「フィガロの結婚」のプロダクションにおいて、最終日に代役として急遽、リハーサル無しで指揮者を務め、鮮烈なオペラデビューを飾る。同年6月にはカーネギーホールにデビュー、日本の「音楽の友」誌で「全プログラムすべて暗譜で指揮し、真摯な姿勢」と評価される。

同年12月はリンカーンセンター(ブルーノ=ワルターホール)にデビュー。2009年3月には、日本より母親の筑豊青少年交響楽団を招いて、合唱団と日米二つのオーケストラによる国際親善合同演奏会をプロデュースし、その模様はNHKにより放送された。

 ニューヨークでの自身が組織するプロオーケストラとアマチュア合唱グループの活動と並行して、ヨーロッパでの演奏活動も行い、ソフィア新交響楽団(ブルガリア)とのプロコフィエフのバレー音楽「ロメオとジュリエット」の演奏において高い評価を得たのを始めとして、2011年よりクロアチアのザグレブシンフォニエッタの音楽監督に就任。2012年8月には同国イストラ半島における音楽祭に招待され、ロヴィニ、ポレッチ、ノヴィ・ヴィノドルスキの三都市で公演を行う。ポレッチでは世界遺産の聖エウフラシウス教会が会場となった。クロアチアとは大震災後の慈善活動がきっかけで繋がりを持ち、税金を使わない民間による自主的な交流をコンセプトに活動しており、2013年3月には、日本とクロアチアの国交樹立20周年と大震災3周年追悼を兼ねたイベントをプロデュースする予定。

 オーケストラのほか、合唱指揮の専門家としても活動し、ニューヨークでは合唱兼オーケストラ指揮者として、戴冠ミサ、第九、フォーレやモーツァルトのレクイエムなどの指導とコンサートを頻繁に行ってきた。これらは動画サイトなどで視聴が可能。指揮者としての活動のほかに、コンサートプロデューサーやコンサルタントとしての活動も行い、2007年、自身のコンサート運営と日本の音楽家や文化の紹介の為に、非営利組織であるJapanese Intercultural Network(通称JIN)を設立している。


酒井 雅弘

 合唱が縁で結ばれた両親のもと、1955年兵庫県に生まれる。幼少の頃から、芦屋カトリック教会の聖歌隊員であった両親に連れられ、教会音楽に親しむ。小学校6年生の学芸会でコーラスの指揮者デビュー。曲は「朝の並木道」。8分の6拍子であった。甲陽学院高校時代にグリークラブに入部して本格的に合唱活動を始め、2年生で学生指揮者となる。以来、東京大学音楽部コールアカデミーにて学生指揮者、リクルート混声合唱団にて団内指揮者をつとめる。現在は東京大学音楽部OB合唱団アカデミカコール、東京バロック・スコラーズに所属し、合唱団の一員として歌うと共に、団内指揮者として指導にあたっている。

 東京大学卒業後、株式会社リクルートに勤務。情報通信事業などに従事し、執行役員、監査役を歴任する。現在は株式会社ネクスウェイ顧問のかたわら、自宅でリビング蕎麦屋を営む。

伴奏者紹介

三木 蓉子

アカデミカコール/東京合唱団 ピアニスト
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、及び東京藝術大学器楽科を経て現在同大学院修士課程室内楽科に在学中。
第18回やちよ音楽コンクールピアノ部門入選。
第24回市川市新人演奏家コンクールピアノ部門優秀賞。
第3回ロシアン・ピアノスクール in 東京にて受講生選抜演奏会出演。
第5期ピアノ伴奏法講座受講。2009年モーツァルテウム夏期講習会にてドミトリー・バシュキロフのマスターコースを受講。
これまでにピアノを金井玲子、中山靖子、迫昭嘉、室内楽を松原勝也、有森博、清水高師、東誠三、花崎薫の各氏に師事。

管弦楽団

The Reona Ito Chamber Orchestra & Chorus

アカデミカコール出演者リスト

TOP TENOR

山口 義人
永野 康雄
上野 紘機
川崎 信彰
勝部 素行
風戸 章
大塚 謙一
持田 猛
田中 雅章
水野 明
川尻 幸由
富松 太基
吉松 崇
渡辺 毅
牛尾 宏
酒井 雅弘
奥村 晃史
新岡 香織
反野 晴仁
堀内 靖
Yoshito Yamaguchi
Yasuo Nagano
Koki Ueno
Nobuaki Kawasaki
Motoyuki Katsube
Akira Kazato
Kenichi Otsuka
Takeshi Mochida
Toshiaki Tanaka
Akira Mizuno
Yukiyoshi Kawajiri
Taiki Tomatsu
Takashi Yoshimatsu
Takeshi Watanabe
Hiroshi Ushio
Masahiro Sakai
Koji Okumura
Kaori Niioka
Haruhito Tanno
Yasushi Horiuchi

SECOND TENOR

青木 修三
梶川 浩
齊藤 信一
進藤 正明
平野 直樹
埋田 基一
滋賀 秀實
吉岡 正人
山崎 泰弘
小野 晃
小川 慶治
沢田 茂
田中 敏章
市井 善博
米岡 実
後藤 玲嗣
松浦 英基
三木 祥史
六川 修一
村木 良次
末 啓一郎
鈴木 寛
鈴木 徹也
Syuzo Aoki
Hiroshi Kajikawa
Shinichi Saito
Masaaki Shindo
Naoki Hirano
Motokazu Umeda
Hidemi Shiga
Masato Yoshioka
Yasuhiro Yamazaki
Akira Ono
Keiji Ogawa
Shigeru Sawada
Masaaki Tanaka
Yoshihiro Ichii
Minoru Yoneoka
Reiji Goto
Hideki Matsuura
Yoshihito Miki
Shuichi Rokugawa
Ryoji Muraki
Keiichiro Sue
Kan Suzuki
Tetsuya Suzuki

BASS

福田 恒男
中村 至
松本 大四
大坪 茂
茨城 宏隆
小山 朝久
岩永 裕二
打保 元康
北川 克一
下苙 直樹
柳川 栄
藤本 健介
山岡 成行
大橋 正教
青柳 建一
藤本 英生
今西 健一
古閑 伸高
小林 享一
小林 務
酒井 博人
橘木 俊次
荒川 昌夫
廣畑 俊成
Tsuneo Fukuda
Itaru Nakamura
Hiroshi Matsumoto
Shigeru Otsubo
Hirotaka Ibaraki
Tomohisa Koyama
Yuji Iwanaga
Motoyasu Utsubo
Katsuichi Kitagawa
Naoki Shimooro
Sakae Yanagawa
Kensuke Fujimoto
Shigeyuki Yamaoka
Masanori Ohashi
Kenichi Aoyagi
Hideo Fujimoto
Kenichi Imanishi
Nobutaka Koga
Kyoichi Kobayashi
Tsutomu Kobayashi
Hiroto Sakai
Shunji Tachibanaki
Masao Arakawa
Syunsei Hirohata

アルバム

https://picasaweb.google.com/111425444708914103410/HNdcHD#


ジャパン・ソサエティ
(レセプション会場)
レセプション レセプション:ジャズバンド レセプション:オバマさん
レセプション: レセプション:記念品贈呈 24日の練習(Salvation Army) 25日の練習(Salvation Army)
カーネギー・ホール カーネギー・ホール カーネギー・ホール入口 カーネギーホール入口の掲示
オケのリハ カーネギーホール内部 カーネギーホール内部 カーネギーホール内部
ケルビーニ・ステージ 葛西アナ&Risakoさん
打ち上げ:乾杯 打ち上げ:酒井さん挨拶 打ち上げ:三木さん挨拶 打ち上げ:「のばら」
マエストロ室にて
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